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2012年6月2日(土)実施の修了生座談会

 

2012年6月2日(土)13:00~14:00、大学院3研究科の修了生を招いて、受験希望者との座談会を開催しました。聖学院大学大学院を選んだ理由や、入試の準備、研究計画書についてなど、これから受験しようとしている方に向けてお話ししていただきました。

 

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参加修了生

 

心理福祉学研究科 2010年3月修了 Tさん(女性)
政治政策学研究科 2011年3月修了 Kさん(男性)
アメリカヨーロッパ文化学研究科博士後期課程 2011年3月修了、博士(学術)学位取得 Sさん(女性)

 

質疑応答

 

自己紹介と大学院での研究内容について教えてください。

 

福祉研Tさん

看護師で、現在看護学校(大学)の教員をしています。修士課程では、看護学生が患者さんなど関わる人から受ける言葉をどのように受け止めるのかについて研究をしました。修士論文のテーマは「看護学生が臨地実習中に受けるストロークの受け止め方と性格特徴との関係-エゴグラムを用いた一考察」。現在は博士後期課程に在籍して、危機的状況にある入院患者さんが支えられる言葉、ストロークについて研究を進めています。

 

政策研Kさん

2012年3月に修了し、現在税理士として父の経営する会計事務所に勤めています。大学卒業後、外資系金融機関に勤務した後、税理士試験の勉強を開始、5科目の試験科目のうち3科目合格の目途がたってから、聖学院大学大学院に入学しました。修士課程での論文テーマは「法人税法における生命保険を巡る課税関係」。

 

文化研Sさん

修士課程はイギリスの大学院で修了、博士後期課程に入学し2011年3月に博士(学術)学位を取得しました。現在は聖学院大学総合研究所の研究員をしています。専門は「翻訳学」で、博士論文のテーマは「翻訳でHamletを読めるか?」。文化の違いによって翻訳の違いがどのように生じるのかについて、理論的に研究しています。

 

大学院在学中のスケジュール・仕事との両立はどのようにされていましたか?

 

福祉研Tさん

大学での仕事は土日が休みなので、土曜日は一日大学院に来て勉強しています。指導教授である窪寺先生の授業は、1年次、2年次の両方とも出るようにしました。1年生のうちは平日18時以降の授業を週3回取っていました。2年生になると論文執筆がメインになるので、自分の論文を広げるための授業を選択しながら取りました。18時からの授業に出るためには、職場の理解がとても大切だと思います。また、遅刻についても先生方に事情を話せば前向きに考慮していただけるので、大丈夫です。

 

政策研Kさん

1年生のうちは平日夜の授業に週4日くらい来ていました。2年生になると基本的に修士論文執筆だけになりますので、土曜日の午後から、それも毎回ではなく2回に1回あるいは3回に1回という形でした。自分は職場の理解があって通えていましたが、中には職場に黙って通っている方もいました。毎回時間通りに授業に間に合うように通えていたわけではありませんが、そういう方でもきちんと卒業できていますので、遅刻した分の授業内容を自分で補うという努力をしている点などを先生方が配慮してくださったのではないかと思います。

 

文化研Sさん

修士課程の皆さんのお話を聞いていますと、やはり1年生のうちは毎日のように大学院の授業に出ていて、2年生になると修士論文作成指導のゼミ(演習Ⅱ)を中心に出席して、他の日は自習にあてるという方が多いようです。

 

時間割の組み方(プロセス)はどのようにしていましたか?

 

福祉研Tさん

履修登録の期間というのがあり、そのときに大学院学務課の事務の方が相談にのってくれます。まず必修科目と自分の研究テーマに関わる授業を優先的に組み立て、それから自分の興味、関心にあわせてプラスアルファしていきます。詰め込みすぎると継続できないので、無理のないスケジュールを立てるようにしました。30単位以上が修了要件になっていますが、興味・関心も多かったので私は36単位くらいとりました。

 

政策研Kさん

私も自分の興味、関心に応じて授業をとりました。小さな子供がいるので、福祉研の児童学の授業で子どもへの絵本の読み聞かせについて学んだりしました。政策研では基本的に、政治、経済、政策学などに関わる授業が多いのですが、まったく異なる分野の授業を受けられたのは良かったと思います。

 

文化研Sさん

3研究科どの科目の授業も取ることができるので、私のとった文化研の授業にも政策研の方が参加されていました。普段聞けないような意見を聞くことができて有意義だったと思います。博士後期課程在籍中にリサーチアシスタント(RA)をやっていて、そのときに修士課程の方から先生の研究内容や授業の内容について質問を受けてアドバイスすることもありました。
※他研究科履修(演習を除く)は10単位まで認められています。

 

聖学院大学大学院を選んだ理由を教えてください。

 

福祉研Tさん

私は看護師として働いて、途中で大学に入りました。大学でも修士と同じテーマで卒論を書いたのですが、納得いくものでなかったのでもう少し研究を進めたいと考えていました。聖学院では窪寺先生のスピリチュアルケア、平山先生の死生学など終末期について、また藤掛先生のカウンセリング関係についての研究がかなり幅広くできるので、自分の実際の仕事とマッチする部分が多く、聖学院にして良かったと思っています。私自身クリスチャンなので、ミッション系の大学で学べることも自らの信仰のためにもよいと思いました。

 

政策研Kさん

税理士試験5科目のうち、大学院の税法に関する修士論文を書くことによって税法科目2科目が免除になります。試験で受けるか、大学院を修了するかを比べて大学院に来られる方がほとんどでした。これからの税理士に必要なのは、ただ条文を暗記しているだけではなく、どうしたら銀行交渉が有利に立てるか、どうしたら販路が開拓できるかなどお客さんが望んでいることに対してピンポイントでこたえられる力だと思います。そう考えると試験を受けることのメリットは感じられません。税理士試験は難関ですので、そこに時間を費やすよりも大学院に進学するほうが、自分の成長につながると思います。
聖学院を選んだ理由は、自宅から通いやすかったということです。

 

文化研Sさん

文化研は人数が少なく、こじんまりとしているので、博士前期課程と後期課程の方が一緒になって勉強します。前期課程の方にとっては大変だと思うかもしれませんが、違う課程の方が入ることによって新しい発見があり、お互いに意見を出し合いそれに対して先生が返してくださる、そういう授業が受けられるのが聖学院の良い点だと思います。

 

大学院受験の対策(準備)はどんなことをしましたか?

 

福祉研Tさん

福祉研修士課程の受験の時には、小論文対策では、社会福祉の教科書を勉強したり、関連する新聞記事を読んだりする努力はしました。しかし実際の試験では、人間福祉というと幅が広いので自分で準備したこととテーマがマッチしないこともあります。そんな時は知っている限りのことを書くこと、起承転結をきちんと書くこと、最後まで用紙を埋めるまで書くことを勧めます。
研究計画書については、卒論と同じテーマでしたので、自分の研究したいテーマと研究方法などを書くのは問題ありませんでした。入試の面接は研究計画書に基づいて行われるので、自分がこの大学院に入ってやりたいこと、どんなことを研究したいのかということを明確にしておくと良いでしょう。
研究のフィールドがあるかということも聞かれました。調査研究するときに、例えば私のように看護学生の研究だったら学生たちにインタビューやアンケート依頼ができるのかということです。最近は実際に研究フィールドを持っていなくても、文献研究という方法でも論文が書けるように幅を広げているので、研究のフィールドがなくても大丈夫です。

 

政策研Kさん

私は社会人入試でしたが、小論文がありました。具体的な税目を挙げてそれに関連することを述べなさいというものだったと思います。税法について知識が不足していても自分の知っている限りのことを書くようにしました。小論文については、修士論文を書くにあたって文章を構成する能力があるかどうかを見ているところもあると思います。
研究計画書は、生命保険料控除について自分の思うところを書きましたが、結果的に修士論文は別のものになりました。

 

文化研Sさん

面接は3号館という建物の2階で行われます。受験生一人に先生が3人という形で、だいたい一人20分~30分です。  私の場合博士後期課程入試では、研究計画書の内容について質問されました。研究計画書には、大学院で研究したい内容とあわせて研究に必要な文献のリストをつけました。面接の時に自分の研究計画書を持っていくことは可能です。
英語の試験は、英文の和訳や要約の問題なのですが、辞書持ち込み可ですので、自分の知らない分野についての問題でもなんとかできると思います。

 

受験希望者とのQ&A

 

大学での卒論テーマと大学院での研究テーマがまったく違うのですが、大丈夫でしょうか?

 

福祉研Tさん

大学院で研究したいことがはっきりしていれば大丈夫です。私も修士から博士課程に進むときに研究テーマが変わりました。また、自分の研究テーマが指導教授の専門と多少違っていても、幅広く受け入れてくださるのでその点はあまり心配しなくて良いと思います。

 

私は学部からの進学希望なのですが、福祉研は社会人の方が多いのでついていけるか心配です。

 

福祉研Tさん

学部生もいらっしゃいますが、平均年齢は高いかもしれません。一緒に勉強するという点では年齢はあまり関係ないと思います。学部卒の方も新鮮な意見を言ってくださったりしています。論文を書くときには、先生からだけでなく院生同士で意見交換しながらアドバイスしあえるので、大丈夫です。

 

 

 


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