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2012年10月13日(土)実施の修了生座談会

 

2012年10月13日(土)13:00~14:00、大学院3研究科の修了生を招いて、受験希望者との座談会を開催しました。聖学院大学大学院を選んだ理由や、入試の準備、研究計画書についてなど、これから受験しようとしている方に向けてお話ししていただきました。

 

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参加修了生

 

アメリカヨーロッパ文化学研究科 2012年9月修了 Sさん(女性)
政治政策学研究科 2009年3月修了、アメリカヨーロッパ文化学研究科博士後期課程在学中 Bさん(男性)
心理福祉学研究科 2010年3月修了 Iさん(男性)

 

質疑応答

 

自己紹介と聖学院大学大学院に入学したきっかけについて教えてください。

 

福祉研Iさん2009年3月に心理福祉学研究科を修了し、現在、鎌倉にある特別養護老人ホームで事務長という仕事をしております。
こちらの大学院に入る前は、東京の練馬区にある特別養護老人ホームで事務をしていました。私はクリスチャンなのですが、こちらの教授の藤掛明先生が、私の所属する教会に講師として来られた時に、聖学院大学大学院の紹介をされました。
実はその時、少し体の具合が悪く、パートで仕事をしていた関係があって、時間的に余裕があったのと、だいぶ体のほうも治ってきたということもあって、両親から「そろそろ勉強でもして、社会復帰をしたらいいんじゃないか」と勧められて、受験することにしました。正直、大学院に入るための勉強というのはしていなかったので、あまり参考にならないとは思いますが、紹介があって、こちらをぜひ受けてみたいと思って受けたということです。

 

政策研Bさん

政治政策学研究科修士課程を2009年3月に修了し、今はアメリカヨーロッパ文化学研究科博士課程で、岸田教授のもとで研究をしています。修士課程では『タックス・ヘイブンの対策税制についての一考察』ということで、適応除外規定について研究をしました。
私の場合、税理士資格取得のための免除要件を得ることを前提とした大学院進学についての話しとなります。皆さんの中にもご実家が会計事務所の方がいらっしゃるかもしれませんが、私も実家が会計事務所を経営しておりまして、それが税理士資格取得志望の動機となります。また修士課程修了時に指導教授から、「税理士の資格を取得するというのも大事だけど、せっかく大学院に来たのだから、そこでしか学べないことを学び、その知識を手土産に持って帰るのもいいんじゃないか」というお話があり、現在は博士課程に進んで研究をさせていただいております。今思えば、大学院進学のメリットは、専門学校のみで得られる知識以上のより応用的で専門的な知識、また、異なる環境から来ている方々とのふれ合いや人脈形成などがあると感じています。
わたしは聖学院大学大学院に来る前に、別の大学の大学院で会計科目を修了させています。その大学院で受講させて頂いていた教授から、聖学院大学大学院には優秀な税法指導の教授が多数在籍されているということで勧められて入学しました。

 

文化研Sさん

アメリカヨーロッパ文化学研究科を、この9月に修了しました。  大学院では、ハンナ・アーレントという政治哲学者について、人間の基本的な概念などを主に、彼女の思想を通して研究していました。
聖学院を選んだ理由は、第一には家から通える範囲であるということ、また自分の研究したい分野があるということです。大学1年生の時から大学院に行くことを考えていたのですけれども、カリキュラムとか、過去に修了されている方たちがどんな論文を書いているのかなどを参考にしながら聖学院大学大学院を選びました。

 

仕事との両立はどのようにされていましたか?

 

福祉研Iさん

私はパート職員で、時間的に早く終わる仕事でしたので、東京のほうから来ても、6時の授業開始には十分間に合って、仕事と学問の両立ができました。

 

政策研Bさん

私は修士課程の時は、大学院の授業を中心に通っていたので、時間については割と自由でした。現在は就職しており、職場の了承を得たうえで、仕事をしながら通わせてもらっていますが、大学院の博士課程では、単位取得の必要が修士課程に比べて少ないので特に問題はありません。
聖学院大学の立地というのが、人によっては通いづらいという場合もあって、私の周りの方でも夕方6時からの授業ですと、5時半上がりで会社を出ても、ちょっと遅れてしまうという方もいました。働きながら通っている方がいらっしゃるというのは、教授のほうも把握されているので、わりと寛容にいろいろと対応していただけると思います。

 

文化研Sさん

私はアルバイトをしていました。時間的にはアルバイトをする余裕もなかなかないのですが、大学院の授業だけだと気が滅入ってしまうので、アルバイトで気分転換というか、少し切り替える時間を持つようにしていました。

 

大学院在学中のスケジュールについて教えてください。

 

政策研Bさんこれは授業の取り方にもよるのですが、やはり1年目は取る科目が多くなってしまうので、忙しくなるのはご理解いただきたいです。基本的には土曜日がメインになると思いますが、1年目は平日夜も頑張って出てきていただきたいなと思います。ただ2年目になると、1年目に苦労した分、教授との論文作成にほとんどの時間を割くのが普通になります。
ただ、先ほども話しましたが例えば6時の授業に、10分くらい何度か遅れたからといってすぐに教授から何か言われるということありません。先生に事情をあらかじめ話しておけば、うまく対応できると思います。

 

文化研Sさん大学院では30単位を取得して、修士論文を書くというのが決まっています。その単位を取るのも、学部の時のように授業に出てレポートを書いて、テストをやって、それで単位が取れるというのではなく、あらかじめ本を読んだり、先生が何をしゃべるだろうというようなことを考えながら準備をしていかなければいけないので、予習のほうが大変でした。
1年生のうちは授業がかなりハードでしたね。

 

授業の予習・復習というのは必要なのでしょうか?

 

福祉研Iさん

私はあまり予習をした記憶がありません。科目によって全然違うと思います。事前に準備しておかなければいけない科目と、そこで学んだものをいかに自分のものにするかという科目で違うと思います。

 

政策研Bさん

そうですね。先生によっては「税理士資格の取得が前提」とご理解いただいている場合もあって、授業への参加を前提に、特に予習を必要としない授業もありました。また事前の課題提出を求められる先生もいらっしゃいます。

 

文化研Sさん

私の場合予習していってもわからないことが多かったので、授業のあとももちろん復習もしていました。先生によってですが、あらかじめ読んでなかったら、「なんで読んでないんだ」みたいな感じになるので…。私の時は割と「研究者を育てる」という感覚で教えてくれる先生が多かったです。やはり自分で積極的に取り組むというのは大事だと思うし、復習もけっこうしていましたね。

 

福祉研Iさん

課題が与えられて、それについて発表し、それを授業の中でお互いに討論していくというような中での予習というのはもちろんあります。それから、英語の文献を読んでいくような授業などの場合は、当然、与えられたところをきっちりやった上で受けるというのは必要です。

 

政策研Bさん

予習が必要になってくるものは必ずあります。ただ、税法の話になると、仕事を持ちながら通われている方など、専門的・実務的な知識を既に知っている方については、特に予習をしていなくても、先生の提示した判例等の案件について既存の知識のみで話し合うことができると思います。
自分の中での不足箇所については、その都度必要に応じて補っていくことで十分だと思われます。もちろん、更に知識を深めたい方については教授に相談することが有意義な知識探求の方法かと思います。

 

英語の授業はどのくらいあるのでしょうか?

 

福祉研Iさん

大学受験の英語の勉強とは違って、専門的な内容を読むことになります。単語自体がまったくわからないという状況だったので、専門的な辞書を買って調べたり、院生同士でコミュニケーションを取って、お互いに勉強しあいながらなんとかやっていました。

 

政策研Bさん

私は英語の授業はほとんどなかったです。政策研の方であれば、あえて取らなくてもいいので、英語ができないということは特に問題にならないと思います。
また修士課程の一般入試及び博士後期課程の入試では英語が課されます。特に必要はないですけれども、教養として学ぶこともでき、そちらは任意になりますので、英語が怖くて…というのは、特にお考えにならなくてもいいと思います。

 

文化研Sさん

私は博士後期課程に行くことを考えていたので、ラテン語を履修しました。英語は一般入試に必要ですし、できていなかったらそれなりの結果になってしまいます。過去問を練習していたのですが、読めるだけではなくて、その文章の内容の時代背景がわからないと、きちんとした理解にならないので、英語だけでなく、時代の流れがわかっていることも必要だと思います。

 

大学院受験の対策(準備)はどんなことをしましたか?

 

福祉研Iさん

私の場合特に準備はしませんでした。1月に大学院受験の話があって、試験が2月でしたので、準備期間が1~2週間しかない状態で受けました。面接の時に「研究テーマ」という話が出まして、「研究テーマって何?」というような感じでした。受験の前から、特別養護老人ホームで働いていましたので、働いている中で自分がその時抱えていた問題をテーマにしようと思って面接を受け、そういう意味での小論文も書いたということです。ただ、大学院に入ってからは、大方向転換をしました。
計画書は、入学するまでは高齢者福祉の研究をしようと思っていたのですが、履修する段階になって、「こんな授業もあるんだ」ということに気づかされて、スピリチュアルケア研究に方向転換しました。私が入った年から指導教授の窪寺俊之先生が教鞭取ることになったということもあって、スピリチュアル研究にひきつけられて、変わっていきました。

 

政策研Bさん

小論文に関しては、会計や税法に関する問題が出ると思っていたのですが、実際は、時事的な問題についてどう思うかというような内容だったので、専門的な知識はあまり関係ありませんでした。一番いいのは過去問を勉強することだと思います。
研究計画書ですが、最終的な修士論文のテーマは教授との話し合いの中で変わっていきますので、あまり先行きを見越して作る必要はないということをお伝えしておきたいと思います。例えば税理士志望であれば専門学校に行っている方が多いと思うのですが、勉強されている税法の中で、興味や疑問を持っている論点において「こういう問題について、このような論点で研究してみたい」というようなことを書くとよいのではないでしょうか。

 

文化研Sさん

研究計画書は在学していた大学のゼミの先生と相談しながら書きました。もともとは平和ということについて考えたいということで入ったのですけれども、「莫大すぎる」ということで、細部については大学院に入ってから決めました。研究計画書では自分の疑問に思っていることや、これからやっていきたいことなどを書いて、先行研究などについては大学の先生のほうが詳しいので、アドバイスを受けて相談しながら書きました。

 

入試の面接にあたって、事前に準備しておいたほうがよいことなどはありますか?

 

政策研Bさん

面接では、研究計画書に関しての質問というのは必ずされると思いますが、それ以上にその人の人柄などを見ているようです。人によっては、「すごく厳しかった」という先生もいらっしゃるようですが、私の時は進学時の研究内容について質問された他、あとは今後の進路についての話しなどがほとんどでした。
また、対策としては研究計画書に書いた内容をしっかりと説明できるようにしておくことは大事だと思われます。

 

文化研Sさん

私の時は教授3人対受験生1人の面接で、研究計画書の内容や、どんな本を今まで読んだかなどを聞かれました。文化研では先生のほうも自分の弟子を育てる感覚で、この人ならこの問題にどういう角度からアプローチができるだろうとか、こっちの方面に興味があるだろうかなど、先生同士で盛り上がって話したりもするので、そんなに緊張はしなかったです。

 

大学院修了後の就職についてお聞かせください。

 

文化研Sさん

大学院を修了してから就職して、日本橋のほうで人事・総務など秘書のようなことをしています。
7月31日が論文の締め切りだったのですが、そこまでで論文しかできていない状態で、8月に入って少し落ち着いたので、就職活動を学部生のような感じで、リクルートスーツを着てやりました。来春ではなく秋にすぐ就職したかったので、転職サイトで、「未経験者OK」のようなところに、メールを送ったり履歴書を送ったりして、2社ぐらいで決まったので、あまり参考にならないかもしれません。

 

 

 


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